藤岡さんから夏のお盆を前に2004年5通目のお手紙が届きました。今回は、シドニーのお話と14日の公演への藤岡さんの意気込みのお手紙です
。PS5もいい話だな。お楽しみ下さい。
皆様のご感想のメールもお待ちしています。

 

 皆さんこんにちは。

 今年の夏は暑いですねー。もう最高!僕はクーラーが嫌いなのでなるべく普段はクーラーを切って旋風機を回しながら夏の香りを楽しんでます。

 さてまずはシドニー音楽大学の話。ここの学生オーケストラとは二度目の共演。オーストラリアを代表する音楽大学だけにレヴェルは高い。
  リハーサルは1週間。朝9時から夕方5時までみっちりコンサートホールで行う。このホールがまた美しく音響も素晴らしい。疲れたけど楽しかった。プログラムはブリテンの「シンフォニア・ダ・レクィエム」、サンサーンスの「ピアノ協奏曲5番」、ムソルグスキーの「展覧会の絵」。
 贅沢なことに演奏会は二日間。同じプログラムを二度演奏できるのは学生にとっては貴重な経験だ。特にブリテンは学生達が日を追うごとに曲を深く理解して演奏も素晴らしかった。

 「展覧会の絵」を指揮するのは久しぶり。
 この曲はただ単に展覧会の絵を表現しているのではなく、当時ムソルグスキーにとってたった一人といっていい親友の画家ハルトマンの死を通じて、当時決して幸福とはいえなかったムソルグスキーの苦しみ、怒り、悲しみや芸術家の勝利への希望が表現される。

  ただいつも思うのだけれどオーケストラ版はラヴェルの編曲が余りに色彩鮮やかで素晴らし過ぎて、この曲の持つ内面性がストーレートに伝わりにくい気がする。
  たとえば「ビドロ」などはオリジナルのピアノの方がショパンの「葬送」を意識したと思われる最初のコードから「ビドロ」が「牛車」だけではなく「奴隷のように虐げられた人々」を意味することが良く分かるし響きも深い。

  僕にとってこの曲を指揮するときの課題はいつもオリジナルのピアノ版の持つ内面的な力をどこまでオーケストラ版で表現できるかだ。今回久しぶりに指揮してみて新しい発見が随分あったのでまたチャンスがあれば取り上げてみるつもりだ。

 シドニーの後は四国に直行して関西フィルと7公演。瀬戸内海が綺麗だったー。四国には今月末にまた関西フィルと行くので楽しみ。今度は何を食べよう? 


シドニー音楽大学です。

音楽大学のカフェ。朝早いので人が少ない。
毎朝ここでコーヒーを飲む。

コンサートホール。 美しく音響もいい。前回ここに指揮しに来たときはこの新コンサートホールのオープニングコンサートでFMで全国に放送された。

学生達とリハーサル後にパブで飲む。みんな毎晩どこかでパーティしててさすがに若い。自分の学生時代を思い出す。

ここは大学前の通り。ここをまっすぐ歩くと大きな港があって、有名なシドニーオペラハウスがある、旗が立ってるところが滞在したホテル。


 さて今月14日は「Meet the Classic 」の9回目。

  今回はラヴェルの「マ・メール・ロア」とベルリオーズの「幻想交響曲」。ラヴェルは毎年必ずどこかで指揮する大好きな曲。その品の高さと美しさ、小編成にもかかわらず色彩鮮やかなオーケストレーション。何度振っても飽きない。
  一方ベルリオーズは大編成で恋する女性への強烈な想いが、麻薬を飲んだ青年の夢という形で表現される。決して上品とはいえないがその燃え上がる情熱や当時としては革命的なオーケストレーション、アイディアは効果的で生々しい。

 今回は演奏前にオーケストラに音を出してもらいながらこの曲の魅力を解説します。

 真夏の夜は人をおかしくする。狂った幻想をお楽しみに!

 それでは皆さんコンサートでまたお会いしましょう!

2004年8月8日



PS1 7月の和歌山。毎年合唱団員とお客さんを確実に増やしてきた。今年は4回目で合唱団も頑張って確かな手応えがあったと思う。関西フィルも毎年楽しみにしてる。このコンサートが毎年の伝統になるように来年も楽しみだ!

PS2 姫路でオペラ「おなつせいじゅうろう」を初めて振る。関西フィルのなかで、悲しく死んだおなつとせいじゅうろうがコンサートに現れるという噂が練習中から流れてて、譜面台が急に下がったり、弦が急に緩んだり、鍵をかけたはずの楽屋のドアが開いてたり、怖いー!! 本当に二人が聴きに来てたのかドラマティックなパフォーマンスでした。僕はこの曲好きだなぁー。来年も姫路でこのオペラを振ります。

PS3 8月の毎年恒例のサマーポップス。関西フィルも僕も年に一度のポップスコンサート。早々と完売で補助席と立ち見も一杯。オケもノリノリでした。このお客さんの中ですこしでもクラッシクファンが増えたらという想いもある。コンサート後に14日のチケットの販売が伸びたのが嬉しい。

PS4 夏がやってきて嬉しい!けどまだ海には行ってない。ただ最近新地でテラスでビールを飲めるおしゃれなお店を発見。リハーサル後にここでビールを一杯。夏の香りを楽しめる。

PS5 四国で丸亀から観音寺に電車移動したときの話。単線で海沿いを走る電車の中は朝早かったので高校生がたくさんいる。
僕の隣に座ってたのも高校生で携帯でメールを打ってる。そこに茶髪の今風の同じ制服の学生がやってきて僕の隣の学生に声をかける。「学校やすまないでちゃんと来いよ。」どうやら隣の男の子は登校拒否らしい。仲間のいる車両に移ろうと誘うが隣の学生は席を立たない。また違う茶髪の生徒が同じことを言いに来る。まだ立たない。もう一人また茶髪の学生がやってくる。学校も楽しいよ、みんな心配してるから向こうの車両に来いよと誘う彼の言葉に隣の男の子はやっと嬉しそうに微笑んで席を立った。窓の向こうは真っ青な瀬戸内海。茶髪の男の子達の目はみんなまっすぐで優しかった。心が暖まった。

※本ページの写真は藤岡さんのプライベート写真です。
 
無断転用はお断り致します。


【藤岡さんのお手紙のバックナンバー】
【2000年6月までのお手紙のバックナンバーはこちら!
みなさんお元気ですか?
2000.7.7
残暑お見舞い申し上げます。 2000.8.11
きょうやっとベルファストから戻ってきました。 2000.8.27
9月23日のコンサートの後マンチェスターに戻ってきました。
 〜 今回はショルティの想い出です 〜
2000.10.02
今、ぼくは兵庫県小野市からの帰りの新幹線の中です。 2000.10.30
今回はマニアックな話です。 2000.11.25
タスマニアの Launceston という町にいます。 2000.12.11
みなさん明けましておめでとうございます! 2001.1.01
最高の恩師、渡邉暁雄先生の思い出です。 2001.2.15
吉松さんのレコーディングが終わったとこ ろです。 2001.3.30
パースの帰りの飛行機の中です。
2001.4.23
気がついたらもう5月末?!
2001.5.26
僕は夏が大スキだけど・・・
2001.6.21
今回は、マンチェスター関係の話 です。
2001.7.24
今はシドニーに向かって飛んでる飛行機の中。
2001.8.28
とうとう夏が終っちゃいましたね。
2001.9.12
いまさらタスマニアの写真は大昔って感じですが・・
2001.10.20
あーぁ今年も後少し。 2001.11.25
あっという間に12月の半ばですね。 2001.12.17
遅れ馳せながら 明けましておめでとうございます。 2002.01.26

相変わらずなんだかせわしなかった。

2002.02.26

10年前の思い出

2002.03.31

4月・5月の活動報告です。

2002.05.25
やっと吉松さんの新録音をイギリスで終えて一息。
2002.7.15
夏は今年もあっという間に終わり。
2002.9.2
超ハードな日程が終わって、ちょっと一息ついてます。
2002.9.22
今オーストラリアのアデレードにいます。
2002.10.13
もう冬ですねー。スウェーデン行ってきました。
2002.11.15
やっとちょっと一息。 2002.12.25
遅れ馳せながら明けましておめでとうございます。 2003.01.22
2月、3月は忙しくて、PCに触ることすら出来なかった。ごめんな
さい。
2003.04.01
今日はちょっとマニアックな話です。 2003.04.25
今オーストラリアのメルボルンにいます。 2003.05.24
今オーストラリアのパースにいます。 2003.07.01
あーぁ夏なんか来なかったよ・・・・と思ってたら・・。 2003.09.03
吉松さんの新作、チェロ協奏曲の初演です! 2003.10.17
イギリスでのレコーディングが終わり・・ 2003.11.11
遅れ馳せながら明けましておめでとうございます。 2004.1.23
3月は結構忙しかった! 2004.4.27
やっと一息ついています。 2004.5.27
関西フィル新シリーズ、名古屋国際音楽祭、シンフォニーホール恒例東海大仰星コンサート、読響テレビ収録が終わってちょっと一息。 2004.6.23
〜藤岡幸夫さんを応援するWEBの会より〜
すでに届いたファンの皆さんのメールをご紹介しています。是非ご覧下さい!
そして、あなたも是非メール下さいね!


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