藤岡さんから、2005年の4回目のお手紙が届きました。
今回は、「デビュー以来初めての1ヶ月の休養&充電」を終え、リフレッシュしてコンサートに集中する藤岡さんからのメッセージです。ご自宅のご近所の「六義園」での写真付きです。是非、お楽しみ下さい。
皆様のご感想のメールもお待ちしています。

 皆さんこんにちは。

 一ヶ月の休暇明けは、関西フィルと和歌山でスタート。
6月初めに関西フィルが毎年訪れる(僕は初めて)和歌山の開智中学・高等学校のみなさんとコンサートと毎年7月に共演の和歌山の合唱団とのリハーサル。
携帯用のお手紙で書いたけど、毎年この時期は7月の和歌山でのコンサートの準備・リハーサルで何度か和歌山を訪れる。和歌山はいつも真っ先に夏を感じさせてくれる大好きな街。
今年も東京は寒かったのに、和歌山はもう夏!。緑と潮の香りがして最高でした。

 この後、兵庫の八千代町50周年コンサート。緑に囲まれ、小川が流れる本当に美しい町。
休憩時間に、外で思わずたそがれてしまった。
山に囲まれ、沢山の鳥達が美しい声を聞かせてくれる。遠くに鯉のぼりが雄雄しく舞っている。それもあっちもこっちもという感じ。日本はいいなぁと実感。このコンサートのために結成された合唱団は120人、良く頑張った。絶対また共演することを約束して札幌へ。

 札幌は1年ぶり。去年も感じたけど雰囲気が明るく、音楽を真摯にでも楽しんで演奏してる、とってもお客さんを大切している素敵なオーケストラ。キタラホールの音響も素晴らしい。
今回の司会はなんとコンサートミストレスの菅野まゆみさんで喋りの上手さに脱帽。こういう企画はこれからのクラッシック界にとってとても大切だと思う。楽しかったです!ありがとうございました。

 さて、来週の16日はいずみホール定期で僕の大好きなショスタコーヴィッチの6番。 僕がプロのオーケストラとの最初のコンサートで自ら選んだ曲だ(この時のお話はこちら)。

 深く悲しいメロディを、木管・ヴィオラ・チェロで冒頭から奏でられるこの1楽章はショスタコーヴィッチの交響曲の中で最も叙情的だ。
この楽章がこの曲の半分を支配していて、そこにあるのは共産主義に苦しめられる悲劇と諦めだと僕は信じてる。

 また、この楽章のオーケストレーションも特筆もの。無駄なものをそぎ落とし、弦楽器の各パートは入念に書かれ、各木管が悲しいソロを歌う。
僕の最も好きな箇所は、後半でEmajorのコードにのってホルンのソロがでてくる。それはまるで一筋の希望の光のように美しい。ここだけのためにチェレスタが効果的に使われている。
初演時には、作曲者自身「春や喜びや生命の気分をあらわそうとした」と述べてるけどそんな穏やかな曲ではない。確かにそうかもしれないが、それは苦しみから生まれたものだ。

 二楽章で春の喜びのようなものは感じられるが、その一方で戦闘的であるし、めまぐるしく転調させて中間部で到達するティンパニのソロは、もしかしたら一楽章では見せなかった怒りの頂点かもしれない。

 終楽章(三楽章)は、まるで何かにとりつかれた様なプレスト。そこには苦しみの中から生まれた生命力に溢れる。最後の「嘘だろ?」というくらい楽しいメロディは、ジャズや流しのジプシー音楽を愛したショスタコーヴィッチならでは。「苦しい、辛い、それでも音楽があるさ」と叫んでるようでもある。

 この曲はなんといっても一楽章の悲しみに包まれた悲劇的な美しさをどこまで感じてもらえるか。そしてこの苦しみから生まれたプレストは何かにとりつかれたような生命力を表現できなければならないと思ってる。(以前、このプレストだけをアンコールに演奏した外国人指揮者がいて驚いた。そんな軽い音楽じゃないし、1楽章の悲しみがあってからこその音楽だ。) 


 前半はシベリウスの「カレリア組曲」。北欧の自然が目に浮かぶような演奏を目指す。

 二曲めは世界最高のハーピストの一人といわれる吉野直子さんのソロで「アランフェス協奏曲」(ギターのオリジナル版が有名)。ギターのときは音が小さくマイクを使うけどハープは勿論必要ない。ソロパートのスケールがダイナミックに響く。吉野さんとの初共演も楽しみだ。

 このホームページでいつも言ってることだけど「いずみホール」は建物も美しく音響も本当に素晴らしい中型ホール。ここでオーケストラを聴くのは最高の贅沢です。 まだ来たことの無い人には、是非足を運んで欲しいと思います。

 それではコンサートでお会いしましょう!
               
      2005年6月11日



PS1 携帯ホームページでも書いたように、溜まっていたお手紙のお返事を出してます。今回皆さんのお手紙を読み直してこんなコンサートもあったんだなぁとすごく楽しんでる。ちなみにいつもいただいた手紙は、オンタイムで携帯(が多い)ですぐ読んでます。

PS2 今回のお返事を出すにあたって管理人の布見夫妻の好意で、返事を僕がテープに録音したものを二人が文章に起こしてくださった。ここで活躍したのが20年近く前に買ったウォークマン・プロ。全く使ってなかったけどちゃんと動いたし使ってて楽しかった。あのころはテープもTDKとかマクセルとかいろんな種類を使い分けて録音を楽しんでたなぁ。

PS3 携帯ホームページで話したライオンズVSタイガースの交流戦。やっぱり気になる。でも両方愛してしまった僕は意地でも見ない。次回はちょうど「いずみホール定期」の直前で当然早寝。音楽に集中します!

PS4 今目の前のTVではライオンズVS巨人。僕の大のお気に入りの21歳の若獅子3番中村がタイムリー!やったー!ちなみにタイガースのお気に入りは藤川。この二人が対決するかもしれないのかぁ・・・・・。!
休暇中に近所の六義園を散歩する。
ここで自然を感じながら茶屋で抹茶を飲む。
のんびりして最高。

※本ページの写真は藤岡さんのプライベート写真です。
 
無断転用はお断り致します。


【藤岡さんのお手紙のバックナンバー】
【2000年6月までのお手紙のバックナンバーはこちら!
みなさんお元気ですか?
2000.7.7
残暑お見舞い申し上げます。 2000.8.11
きょうやっとベルファストから戻ってきました。 2000.8.27
9月23日のコンサートの後マンチェスターに戻ってきました。
 〜 今回はショルティの想い出です 〜
2000.10.02
今、ぼくは兵庫県小野市からの帰りの新幹線の中です。 2000.10.30
今回はマニアックな話です。 2000.11.25
タスマニアの Launceston という町にいます。 2000.12.11
みなさん明けましておめでとうございます! 2001.1.01
最高の恩師、渡邉暁雄先生の思い出です。 2001.2.15
吉松さんのレコーディングが終わったとこ ろです。 2001.3.30
パースの帰りの飛行機の中です。
2001.4.23
気がついたらもう5月末?!
2001.5.26
僕は夏が大スキだけど・・・
2001.6.21
今回は、マンチェスター関係の話 です。
2001.7.24
今はシドニーに向かって飛んでる飛行機の中。
2001.8.28
とうとう夏が終っちゃいましたね。
2001.9.12
いまさらタスマニアの写真は大昔って感じですが・・
2001.10.20
あーぁ今年も後少し。 2001.11.25
あっという間に12月の半ばですね。 2001.12.17
遅れ馳せながら 明けましておめでとうございます。 2002.01.26

相変わらずなんだかせわしなかった。

2002.02.26

10年前の思い出

2002.03.31

4月・5月の活動報告です。

2002.05.25
やっと吉松さんの新録音をイギリスで終えて一息。
2002.7.15
夏は今年もあっという間に終わり。
2002.9.2
超ハードな日程が終わって、ちょっと一息ついてます。
2002.9.22
今オーストラリアのアデレードにいます。
2002.10.13
もう冬ですねー。スウェーデン行ってきました。
2002.11.15
やっとちょっと一息。 2002.12.25
遅れ馳せながら明けましておめでとうございます。 2003.01.22
2月、3月は忙しくて、PCに触ることすら出来なかった。ごめんな
さい。
2003.04.01
今日はちょっとマニアックな話です。 2003.04.25
今オーストラリアのメルボルンにいます。 2003.05.24
今オーストラリアのパースにいます。 2003.07.01
あーぁ夏なんか来なかったよ・・・・と思ってたら・・。 2003.09.03
吉松さんの新作、チェロ協奏曲の初演です! 2003.10.17
イギリスでのレコーディングが終わり・・ 2003.11.11
遅れ馳せながら明けましておめでとうございます。 2004.1.23
3月は結構忙しかった! 2004.4.27
やっと一息ついています。 2004.5.27
関西フィル新シリーズ、名古屋国際音楽祭、シンフォニーホール恒例東海大仰星コンサート、読響テレビ収録が終わってちょっと一息。 2004.6.23
今年の夏は暑いですねー。もう最高! 2004.8.8
それにしてもたくさんのお客様本当にありがとうございました。 2004.9.26
今スウェーデンから成田に向かう飛行機の中です。 2004.10.06
今回の手紙は逝去された園田先生に心よりの哀悼の意とともに捧げます。 2004.10.15
ニュージーランドから再びオーストラリアのブリスベンに向かってます。 2004.10.30
クィーンズランド菅の報告とサイモン・ラトルの思い出 2004.11.17
今年も本当にありがとうございました!! 2004.12.22
遅ればせながら「あけましておめでとうございます! 2005.1.24
関西フィルとは初めての東京公演、すごく楽しみにしてます。 2005.2.24
深く深くご冥福をお祈りいたします。 2005.5.2
〜藤岡幸夫さんを応援するWEBの会より〜
すでに届いたファンの皆さんのメールをご紹介しています。是非ご覧下さい!
そして、あなたも是非メール下さいね!


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