■吉松さん:「“交響曲第5番”をどうするか?というのは作曲家にとっては大きな通過儀礼で、チャイコフスキーにせよ、ベートーヴェンにせよ、そういう作品を意識すればするほど、引用になるのか、パロディになるのか・・。自分としては、そういうこだわりを含めて本気で“5番”を作った。ちょと別の話になるけど、古い人は知っているんだけど、実は「Victory」を意味する「V」はモールス信号でこの「ジャジャジャジャーン」を使うのね。「5番=V(ローマ数字の5)=Victory=我勝利せり」って感じで、連合国は戦争で勝利するとこの“ジャジャジャジャーン”をモールス信号で流したわけ。ショスタコーヴィチの7番の4楽章に“ジャジャジャジャーン”て出てくるんだけど、彼はまさにこの意味を込めて作っているんですよね。で、今回のジャケットで「5」を数字ではなく「V」であしらっているところを見ると、イギリス人にはそういう歴史がちゃんと残っているのかな?と思う。ちなみに、ジャケットの話をしておくと、どうもイギリス人は日本というと「フジヤマ・ゲイシャ」と思っているらしく、1番のジャケットの時は最初菩薩像みたいなデザイン送って来たり、その次は芸者だったり、4番の時は「石庭」みたいな感じだったし・・。そして今回のは先程話した「V」をあしらい、鳥は「鳥たちの祝祭への前奏曲」の鳥だし、そして月(満月)の回りに細い円が多数あるのは「アトムハーツクラブ組曲
II 」の「アトム(原子)」のイメージで、原子のまわりを中性子とか陽子とかが周回しているイメージで、3曲のモチーフがちゃんと全部入っていて、今回は“(イギリス人の)彼らもようやく分かってきた!”という感じなんですよね(笑)」